常々

 

知多半島スタンダート(01)

その土地土地の魅力を伝えるものには、人や風景(建築やランドスケープ)、食などがあります。

最近、打ち合わせや取材などで知多半島内を巡っていると、土地柄を反映した特色のあるカフェや喫茶店が増えているようです。

このサイトを設計しているときから、知多半島らしさを体現した本当にお勧めしたいお店やモノを紹介してみたいと考えていました。

そうした知多半島の新しい基準になってほしいお店やモノを形容する言葉として、”Standard” という言葉が浮かびました。

知多半島は豊かすぎて半島内で充足できてしまったがゆえに満ち足りていて、外部に発信するのを忘れていたのではないかと思っています。

知多半島の新しいスタンダード。地域の魅力を活かした、知多半島の水準。
そろそろ知多半島の魅力を、半島外の人に知ってもらってもいい頃です。

そんな知多半島らしい魅力を伝えるお店を紹介していきます。

 

 

一番最初のお店はどこがいいかなと思った時、真っ先に浮かんだのが、常滑のカフェ “TSUNE ZUNE[常々]”さんでした。

ちょうど、D&DEPARTMENT PROJECT『d design travel』の愛知号を買いたかったこともあり、常滑焼まつりとあわせて行ってきました。※常滑焼まつりの記事はこちら
(8月頭まで渋谷のd47 MUSEUMで開催されていたd design travel AICHI EXHIBITIONで掲載されていることを知り、常々さんの店頭で書籍の販売もされています。)

 


『d design travel AICHI EXHIBITION』

 

d design travel AICHI EXHIBITION d design travel AICHI EXHIBITION

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常々

カフェ TSUNE ZUNE(常々)

常々は、その名の通り、常(つね)を美しく彩ってくれるお店です。
知多半島の海近くでよく見られるコールタールを塗料とした、黒い壁の建物。
元は盆栽鉢で知られる山秋製陶所の製品を梱包する作業倉庫だったとのこと。
リノベーションされて、凛とした建築になっています。

 

常滑であり、”常”のお店である。
だから”常々”。

初めて名前を聞いたときには、いい名前だ…。と感服しました。
名前には、このスペースが「常滑の日常」でありたいという気持ちが込められているそうです。

 

常々入口 看板

 

入口を入って階段を上った先のカフェ店内は、確かにハレの日というよりはケの日、上質で素敵な日常、穏やかな生活を意識させてくれます。

(初めての方には2階に上がるところが敷居が高く感じるかもしれませんが、入ってしまえば快適な空間が広がります。)

入口(動画)

 

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常々の店内 常々の店内

使われている器は全て、常滑散歩道内の陶芸作家、猪飼護(いかい まもる)さんのもので統一されています。これぞ常滑焼という素朴で雑器としての魅力をたたえる素材や釉薬、焼き方の器が整然と並びます。

食器

 

店内では、店主の河合忍さんの丁寧な所作に、ゆったりとした気持ちになります。
珈琲は、東京の自家焙煎のお店「やなか珈琲」から取り寄せた珈琲豆を使っています。
河合さんはここの珈琲のおかげで、初めて珈琲が飲めるようになったそうです。
この時期はかき氷や、旬を迎えたイチジクのメニューもあって、オーダーに迷いましたが、珈琲ミルク氷をお願いしました。
珈琲ミルク氷は上品な甘さで、常滑焼まつりで身体にこもった熱から解放された心持ちでした。
(ちなみに、愛知県は全国で最もイチジクの生産が盛んな地域で、常滑市では、安城市・碧南市についでたくさんのイチジクが作られています。生ハムに合わせたり、おつまみとしても最高です。)

 

常々 DSC04319

常々の風景 愛知号

 

この場所は河合さんのお祖父さんのものだった建物で子供の頃から近所で遊んでいたそうで、顔なじみの方が来ることも多く、地元の人にも愛されるスペースになっていました。
現代的なスペースでありながら、歴史ときちんと繋がっている感じが、常々の魅力であり懐の深さではないかと感じました。

常々は、時々「トコナメハブトーク」というトークイベントの会場にもなります。
カフェ営業の時は空調のために仕切って小さく見えますが、実際はかなりの広さのある空間です。
次回の予定は未確定ですが、今後も継続して開催していくとのことです。

 

トコナメハブトーク 亀崎ナイト!
(6月の「トコナメハブトークvol.5 亀崎ナイト!」の様子)

ギャラリーとしての利用や地域のイベント、大学などによる講義など、様々なかたちでの活用もあるとのことで、ギャラリーやイベント利用も内容によって相談に乗っていただけるとのことです。
常滑の良質な部分が詰まったお店ですので、ぜひ一度、足をお運びください。

 

TSUNE ZUNE[常々]|概要
〒479-0836 愛知県常滑市栄町7丁目164(google Map)
[営業時間]  月: 10:00~17:30 木-日: 10:00~17:30
※駐車場あり(場所は店舗左の坂を登り裏手にあります。画像参照ください)

TSUNE ZUNE[常々]ホームページ http://tsunezune.jp/
TSUNE ZUNE[常々]Facebookページ https://www.facebook.com/tsunezune.tokoname/

 

駐車場